ミスに言い訳はない

人間、誰しも間違いを犯すことはあります。人間も神様ではないので、自分のやっていることを完璧にこなせるとは限らないのです。それは看護師も同じことです。看護師も人間ですからね。とはいえ、看護師のミスは、ケースによっては患者さんの命を奪ってしまうことになることも少なくありません。ですので、ミスを犯さないためには多大な集中力と注意力を持って仕事に当たる必要があるのです。

既に数年のキャリアを持っている看護師であれば、新人の頃に先輩から何度もヒューマンエラーに起因する事故について厳しく指導された経験があると思います。責任を持つこと。自覚を持つこと。これらは、患者さんを安全に看護するための最低限の心構えであり、最大限の努力を振り向けるべきものです。看護師としてのキャリアを重ねていくたびに、看護師としての仕事にどれほどの責任がともなくのか、看護学生時代の実習はどれほど自分が守られた状況で行われていたのかを実感しているのではないでしょうか。いくら気をつけてはいても、忙しい時や焦っている時は、どうしても見落としや間違いをしてしまうものです。俗に脇が甘いという状態になってしまいます。しかし、特に臨床で働く看護師においては、一歩間違えれば患者さんの命を奪ってしまうことにつながるミスを犯してしまっては、悔いても悔やみきれるものではありませんし、そうしたとしても患者さんの命は帰ってこないのです。
看護師の犯しがちなミスの中でも一番発生率が高く、一度起こってしまうと取り返しのつかない事態に一番なりやすいのが薬物の管理です。本来その患者さんには使用してはいけない薬物を、あやまって点滴してしまったり、例えば成人には問題無いものの、子供が飲んでしまうと大変なことになる薬を子供に飲ませてしまったり。
こうしたミスをしないために、看護師は学生時代に「5R」と呼ばれる薬に関する注意事を徹底して叩きこまれていますし、看護師試験にも必ず出題されます。しかし、これをしっかり把握している看護師であれ、何人も患者さんを見ている間に勘違いや間違いが発生してしまうのです。ゲシュタルト崩壊に近い感じかもしれませんね。これを防ぐためには、例えば同じ名字の患者さんの名前に蛍光ペンでラインを引いておくとか、表記をカタカナにする、名前以外の情報を記入しておくなどの方法があります。点滴や薬の準備の時は、2人以上でチェックをするなど、時間をかけてもすべきことはたくさんあります。こうした1つ1つのことを確実に行う努力が必要なのです。

血液型で、几帳面・大雑把・機転が利くなど、特徴はあれどミスに血液型は無関係。ミスについてそれを理由にする看護師がいたら同僚でも叱責すべきです。